2013年9月29日日曜日

TOEIC 受験と怠惰であることの再確認

資格・試験 と これまでの俺

   ハローワーク訪問の後に考えた。「次」のためには、職業訓練なり何らかの資格取得が必要だろう-と。もともと資格取得に熱心ではなく横着でもあった。必要性もなかった。今となっては大学院の頃に(つまりは四半世紀以上も前のことになるが)危険物取扱者の資格取得をしなかったことが悔やまれる。

 これまでの生業 - 情報技術系のそれであるが、2005年だかそこいらにマークシートだけだからと情報セキュリティ管理を取り、同じ頃CISMの試験も通った。後者はPDE取得が邪魔臭い。セキュリティ関連の仕事を請けるようになってからでも..と思っているうちに五年が経ち、資格取得期限を過ぎてしまった。その前の2003年ころには技術士(情報工学)の一次には受かったのだが、能率協会あたりの指導コースで悪筆を酷評されたことを契機になんらかの論文をでっち上げるのも面倒だと放擲してしまっている。

 いずれにせよ、ITの系の資格では「今後」の役には立たないように思うので、それはそれで良し。しかし、もっと早く次を考えていればと悔やんではいる。2006年に老眼を自覚するようになっていたが、その後、左右の目でピントを合わせやすい距離の違いが顕著になり本を読みすすめることに支障を感じるようにもなっている。加えて、ここ二年で随分頭が悪くもなっている。いちどに扱える事象の量が減るとか、スピードが遅くなってもいる。集中力がない、しばしば早合点、錯綜気味の説明 - と、もともとのダメさに加えて、そういうことが起こっている。その前に手を打てば..とおもったが後の祭り。

どこに向かうと決めかねてもおり

 ハローワーク訪問の数日後、8月の18日に TOEIC 試験を受けることにした。どこに向かうと決めかねてもおり、一番ハードルの低そうなところで試してみるか-と思ったためでもある。本日9月29日が試験日であった。前回は1993年末の受験であり、二十年振り三回目のTOEIC受験である。前回の内容はよく覚えていない。東京水産大学で受験すべく品川駅からちんたら歩いたことを朧に覚えているだけである。

 蛇足:案の定というべきか、先月半ばからすでに一ヶ月も経っている現時点でまだ考えあぐねている。これまでの人生で、積極的に狙って何かして碌な結果になった試しがなく、適当に巡り合った何かのほうが得てして良い結果でもある。はたからみて、真剣味がないということになろうが、まちぼうけの話 - 守株待兔 - のほうが良いんでないのかな?という気はしている。いわゆる茹で蛙状態ではある。

試験にどう取り組んだか

 本題つまり試験にどう取り組んだか - であるが、やる気があったのは参考書を買うあたりまでであった。ウェブで申し込んだ後、amazon で公式問題集と書評のヨサゲなもう一冊を購入した。そのあたりでやる気終了である。

 公式問題集を開いたのは実に試験二日前のことであり、それも斜め読みしただけであった。正直言って買わずとも良かったと思う。もう一冊の方は一週間くらい前に開いていたが、最初の二章を読んでしばらく放置。一週間くらい前にいやいやながら Part3対策を半ばまで読んでまた放置といった塩梅であった。

 出題形式や時間配分への“慣れ”の形成。反復練習による知識定着-を以って得点の向上に資する目的で入手したはずなのだが、まぁ良いや、対策しなきゃしないで、as-is がわかるわけでそれはそれで良し - などと言い訳めいたことを考える次第である。加齢による馬鹿化が進行していることを直視せずという塩梅であった。尤も、小学生の頃から「夏休みの宿題は始業式の二日前から始めて始業式の翌日か翌々日に遅れて提出」であるが..。

試験は…

 受験会場は國學院大學の渋谷キャンパスであった。特段コレということもなく到着した。

 前半の聞き取り。集中力が切れて聞き取れない例が六回ほど、聴き取れた!と思ったものの選択肢のどれひとつとしてピンとこない例が四回ほどあった。後半の読み取り。読み取り最初の Part5 がなかなか進まない。何度も同じところを読み返してしまっていた。予め時間配分を確認してもいないのに、なぜか「このペースだと多分読み取りの 2/3 も埋めらんない」と直感し「考えるな。感じるんだ。」みたいなノリに改めた。

 ノリを変えたところ、Part6 を終えた時点で『あっ?思ったより早めかも?!』と認識。Part7 終了段階で『そうでもなかったか』という状態となる。Part8は最終課題の第二問目あたりで何度も行ったり来たりして、『あー、終わんねぇ』と思っていたのだが、最終問が簡単そうに見えたので、そっちからマークし始めたところ、幾分時間の余裕ができた。結果として七分余って全問のマークを終了。残り時間をマーク漏れ、二重マーク、塗りムラのチェックに充てて終了時刻を待った。終了後の退席が可能かわかっていないのだが、少なくとも俺が受験した教室では試験終了時刻以前の退出者は居なかった。

試験会場を後にして…

 ひとつわからない単語があった。受験会場を出たあたりで android 端末を使って調べようとしたのだが、電池切れだった。予備として持参した小型電子辞書も電池切れだった。Android 端末は本来 sleep が効く設定のハズだったのだが、切れていた。ねぐらに帰ってBattery Mixの履歴で確認したところ試験終了前に残量0に至っていた。小型電子辞書はいつもの使い方であれば、満充電後数ヶ月は保つのだが、確かに今回は随分久しぶりに使ったからなぁと思う。参考書入手以降のグダグダっぷりを総括するにはふさわしい〆だったように思い、思わず嘲いが漏れた。

 試験結果であるのだが、存外できた気がし800-840点あたり取れたら良いかもと思っているので、実際には700-750点くらいだろう。今後の資格取得のための勉強-受験のモデル足り得ぬ仕儀であったことだけは確認できた。


2013-10-26 追記

試験結果を本日拝受

 本日、試験結果が郵送されてきた。どこかで返送までに五週間って読んだ気がするのだが、試験日をいれて、まる四週間であった。二十年ほど前の受験結果は、地方税の確定通知よりもまだ細いスリップに印刷されたものだった気がするが、今回はA4一枚に印刷された認定証なるものになっており、9月末のテストの結果と認定証の読み方を記した両面印刷のA4の紙と A4の 1/3 の長3定形封筒のサイズの両面印刷の広告が二枚同封されていた。

郵送された結果から

 スコアを見ると、『存外できた気がした』というのがあたっており、Listening 450, Reading 440 ということで、計 890点だった。スコアとは別に、能力区分 (ability measured) ごとの正答率(percent correct of abilities measured) だろう指標も印刷されていたこれについては後述する。

 現時点では受験者の平均は併記されているのだが、分布がわからない。結果が表示されるだろう公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧にはまだ第183回の情報は公開されていなかった。

 結果について記した紙を読むと、第183回公開テストの受験者総数は約 128,000人となっていた。前述のサイトの掲載情報によれば、昨年九月は122,400人ほど。ここ一年で見ると少ない時には5万を切り、多ければ15万を超えるという受験者数である。団体受験はどうだかわからんのだけれど、ネット申し込みの受験料は5565円であった。今回一回の開催でで 6-7 億円くらいの売上があったわけか...と思うと。大したもんだと思う。他のテストもあるから、年商100億弱といったところだろうか、あるいは周辺ビジネス込だと200億に迫るのだろうかなどと思ったりした。

ability measured と ercent correct of abilities measured

 まずは聞く方。カラムヘッドが英語なのに区分が日本語なのは原資料に準じた対応。

ABILITIES MESUREDPERCENT CORRECT OF ABILITIES MEASRURED
受験者平均
短い会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推定できる 72 95
長めの会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推定できる 70 95
短い会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる 78 89
長めの会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる 62 87

 分布も相関もなしで『平均』だけでの乱暴な議論ではあるが、「短い会話のほうで、要点等々のほうが詳細よりスコアが悪いってどういうことよ?」って思った。『平均的』な受験者であれば七割方程度の理解ということか。俺については、『集中力が切れて聞き取れない例が六回ほど、聴き取れた!と思ったものの選択肢のどれひとつとしてピンとこない例が四回ほどあった。』わけで全百題だから、自分の感覚に近かったたことになる。いつものことだとケアレスミスがあって更に一割減くらいになるのだが、ケアレスミスがなかったのか、たまたま、二重に犯した勘違いと相殺されたかなのだろうかは判らぬまま。

読み取りはこんなかんじ

ABILITIES MESUREDPERCENT CORRECT OF ABILITIES MEASRURED
受験者平均
文書の中の情報をもとに推測できる 55 94
文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる 55 94
ひとつの文章の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる 53 88
語彙が理解できる 63 87
文法が理解できる 65 83

 語彙が理解できるってのはいささか妙な表現でもあるが、与えられた語彙の x % を理解できたという意味にでも採ったら良いのだろう。複数の文書間でちりばめられた ってのも で じゃなくて に だろうと思うのだが、まあそれも良しとしよう。それよりなにより、読み取りテストのスコアが聞き取りテストのスコアより低いということは意外であった。

 普通に日本で暮らしていれば、英語を聴く機会と読む機会を比べれば、読む機会がまだ多い筈。だから読む方に慣れても居るし正答率も高かろう-と長らく思っていた。思い違いだったふうではある。読み取りテストの指標のうちの前三つは後ろの方に配置された問題群に強く関連していそうな特性ではあって、一方、試験時間は制限されている。それゆえ、最後まで辿り着けなければ前三者のスコアは低めになるのは当然という気はする。が、語彙・文法のレベルで結構取りこぼしているというのは驚きではあった。

 TOEIC レベルの英語で、書いたモノ渡しても、三割方以上は取りこぼしているじゃん!ってことだとすると、「何年英語教育をやりゃ済むんだよ?」って思った。日本の英語教育がTOEICに対して最適化されるべきとは思わないが、もうちっとなんとかならんかね。俺も結構取りこぼしてはいるけど。

 俺のスコアは、語彙・文法の正答率より文意の推測の正答率が高い。あてずっぽうがあたった可能性は否めず。読み取りセクション開始後、最初のPart5で「考えるな。感じるんだ。」に改めてもいるのでそれが反映されたのかもしれない。が、確かめようはない。

 TOEIC のスコアはこれらの加重平均ではなく、総受験者の分布を踏まえて各セクション5-495点、総合で10-990点に再配置するようにスコアリングするらしい。だから、試験直後に『存外できた気がし800-840点あたり取れたら良いかもと思っているので、実際には700-750点くらいだろう。』と考えたのは、誤解に基づいた推定であった。正答率が...というつもりで八割から八割半ばという気がしており、生まれながらの早合点によるバイアスが概ね一割強と判断して、七割から七割五分くらいだろうというつもりであった。今回はケアレスミスがなかったのか二重に間違えたか当てずっぽうが当たったかで相殺されたかは定かではない。

おまけ 183回テスト結果・配点

Listening Reading Total
最高点 495 495 990
最低点 5 5 10
スコア平均値 318.9 258.9 577.8
標準偏差 86.4 94.0 172.0

標準偏差を算出してあったけれど、Listening の平均値などはかなり正解率の高い側にあるわけで、正規分布ってことはないだろう気はする。

ということで

 あまり文句も言われそうにない得点となった。たぶん二度と受けることはないだろう。ここから先はTOEIC に特化した対策と訓練が必要であろうし、そういった対策や訓練が、実務・実用の面からして、読む・聞くの二割取りこぼしというのを効率よく改善するとも思えない。直近で英語を使う予定もない。実際問題、この一ヶ月に英語を読むのが面倒くさかったり意味が判らなくて放擲したりということも何度かあったし、未だに英字新聞の類を読むことには困難を感じるレベル。

 それより何より、勉強しない→手痛い結果!→なんとかせなば!とはならず、ヌルい結果になってしまった感はある。実質的には二割がた取りこぼしているわけだけど文句言われないスコアというのは俺の怠惰をそのまま飼っておくには充分なレベル。

 今度こそはちゃんと勉強しなければならない試験、ちゃんと合否判定のある試験を...というところなのだが、何を受ければ良いのやら。

 

2013-11-06 追記

前掲のURLに得点分布が掲載されていたので、得点の階級と階級ごとの頻度をグラフにしてみた。実際の分布を棒グラフで、公表された平均点と標準偏差の正規分布の想定を折れ線グラフで描いてみた。

 こんなかんじ。正規分布には遠く、聞く方も読む方もいくつかの『塊』(あるいは『壁』)があるみたい。聞く方だと、ほぼ満点という領域にそこそこの大きさの塊がありそう。