突然の故障と修理センターとの遣り取り
REGZA AT570 が突然故障した。起動スイッチを入れると、直後の本体振動は起きるものの画面が表示されない。スプラッシュアニメーションすら表示されず画面は暗いままであった。仕方なく修理センター送りにして修理の見積を依頼した。
朝の時間帯に保守窓口に電話をかけ修理の依頼をしたためか、翌日午前の引取をお願いすることができた。機材を送ってから四日目に修理センターから連絡があった。その連絡は、修理を進めるにあたりスクリーンロックのパターンを教えてくれという内容であったのだが、進めるよりは先ず概算を訊いてみようと思った。
液晶パネルだけではなく内部ケースにも二箇所割れがあり、交換を要するとのことであった。後に送られてきた見積によれば部品二点と技術料を併せ四万四千円ほどの修理費用であった。AT570 は画面が広く綺麗なのは確かに良いのだが、修理費が購入金額を上回るというのは馬鹿げている気がし、画面を除けばより高性能な Nexus7 の2013年モデルを買ってお釣りも来る。四千二百円の検査料を払って、修理はせずに返送してもらった。
内部ケースの二箇所の割れは外観からはまったくわからない。イヤホンジャックとスピーカーの開放口の割れというのだが、そんなところが壊れるような扱いをした覚えがない。ネットで見つけた他のタブレットについての記述で掴む方向に力がかかるために生じる筐体が歪に関する議論があったことを思い出す。AT570は Nexus7 や Kindle PW 2013 に比べ短辺が幾分長い。片手で鷲掴みするのは難儀ではあったが、掴めはした。ひょっとするとそういう力が加わっての割れかもしれないと思っている。が、確かめようはない。
修理断念と未回収データの回収
AT570の廃棄を思案をし始める。修理センターの説明によればタブレットの類は回収センターの扱いではなく自治体ごとに定めた方式で廃棄するものだとの由であった。物理破壊なりなんなりの前に 中に格納されたデータの始末を考えることになった。
データの始末、つまりは未回収データの回収と認証データ等の削除をどうしようか思案する。前者についてはAT570 を使い始めた時点から腹積もりはしており、データが回収できなくて困った!ということのないような対応はしていた(つもりであった)、粗方のデータはマイクロSDかウェブ側に置くようにしてあり、取り出せないデータはまず無いと考えていた。念のためにと調べてみたところ、手動バックアップを要するアプリのうちで最近のバックアップを取っていないアプリが1つあった。また、Kindle で読んでいた本へのメモ書きあ Kindle Paperwhite で拾えないことが確認できた。前者については単なるポカミスであった。後者はkindle端末管理機能にある whispersync 設定をoff にしたままであったために生じた問題であった。
専用クレードルからの外部ディスプレイ出力(と表示断ち切れ)
修理に出す前にはこれらのデータの回収が不可能ならば致し方なしくらいに思ってはいたが、修理センターからの連絡でなんとかできると考え直すことになった。AT570 を購入した際に専用クレードルをあわせて購入してあったのだが、専用クレードルにはHDMI出力端子がある。正常な液晶パネルに画面が表示されたことが確認されているため、なんとかなるだろうと考えていた。
専用クレードルのUSB2ポートにキーボードやマウスをつないで動作確認を行ってはいた。マウスは特に問題はなかったが、キーボードは 日本語87/106 キーボードとして認識させるには別のアプリが必要で手間取ったことを覚えている。画像出力については初の試みとはなったが、HDMIは新し目の仕様だしと根拠薄いながらも楽観視していた。結果としてはビミョーであった。画面は表示されたものの、短辺(あるいは縦方向)の断ち切れが発生した。Century の LCD-10000VH を繋いだのだが、このディスプレイの画素数は 1200x800 ドットであってAT570と同じはずである。にもかかわらず短辺側が断ち切れて、Android 4 の User Interface 画面の下部に表示される(ことの多い)【戻る】【ホーム】【起動中のアプリケーション一覧】のアイコンが画面の外に溢れた格好になっていた。【戻る】を使えないのは作業上の支障が大きい。
画面を見ると縦方向(800の側)は幾分間延び伸びた感じで表示されていた。クレードルに置いた場合、端末の向きに応じた画面の回転が抑止されてしまうので、どうにも作業がしづらい。事実上ダメかとあきらめかけていたが、マウスでカーソルを画面下部に目一杯振り、【戻る】【ホーム】【起動中のアプリケーション一覧】あるいは【設定】がありそうな位置をクリックすると、なんとかなることもあった。少なくともKindleデータの回収とAT570の初期化の作業くらいはできそうであった。間違えて縦長画面のアプリを起動したところ、AT570本体画面なら横倒しになって表示されるだろうところが、外付けディスプレイには正立画像が表示された。測ってはいないのだが、長辺/短辺日であれば短辺側がより短くなっていたように思うが、この場合には画面下部のアイコン群は表示されていた。マッピングに何かエラーがあるようなのだが、OSDで設定できもせずで、結局表示アスペクトや位置バイアスの調整はできなかった。これは Windows7にHDMIでつないでも同じなので HDMI接続の場合には調整不可なのかもしれない。
作業中、RGBの表示でいえばG(つまり緑)で表示されるべき文字や線が黄色になっていることにも気づく。Windows7につないだときに、このようなことは起こらず、LCD本体の異常ではないだろうと思う。これについても原因不明。
データ回収
取り漏らしていたバックアップを取得。Kindle への書き込みについては、(1) PCでamazon.co.jp にログインした後 kindle 端末の管理画面に進み、whispersync 機能をON に設定し、(2) その後、android 端末側で、kindle を起動し、当該の本を一旦開いてから閉じる - という二段階の処理を経て回収できた。
初期化
故障してから『どうしたもんか』と思っていたのは中に格納された各種認証情報の扱いである。リセットできない場合には、物理破壊か水に漬けるなどしての化学的破壊かのいずれかの方法で、中のデータへのアクセスを不能にする術しかない。故障箇所が本体液晶パネルだけであり、専用クレードルもあったので、今回は『普通の手順』で初期化できたが、次の機会のために、Google のデバイスマネージャーの機能を使い初期化してみることにした。
AT570の Google 設定でリモートからのリセットを許す指定にした後、パソコンのブラウザから初期化を指示した。数秒もたたぬうちにAT570側でリセットのためのシャットダウンが始まった。再起動したところ、購入後に現れる画面が出てきた。設定を進め中身を確認してみたが、端末で直接リセットをかけたときと同様の初期化がなされていた。
教訓
今回の一件で気づいた点を何点か記す。
- リモートリセットは許可にしておくほうが安心。思わぬリセットが行われては堪らないので不許可にしていたが、考えを改めた。
- マイクロSDカードスロットが有る方が良いと思っていたが、盗難・紛失を考えると内部ストレージだけのほうが安心。
- 修理に出すことも考えるのであれば端末ロックの方式の選択にも配慮は必要。
- USB接続の指定は(普段は)ストレージモードにしておくほうが、いざというとき安心。(AT570 はデバッグモードにしたままであり、一次対応で幾分支障は有った。)
蛇足
廃棄の際に直接回収してもらえるのかと思ったら、そうでもなくて別途の対応が必要との回答であった。その後、修理センターとの遣り取りで、これはリサイクルセンターでの処理対象ではなく地元の自治体の指示に従うものに区分されているとの由であった。