2013年11月6日水曜日

Gibbsの相律とEulerの多面体定理って関係あるってホントかよ?!偶然の一致じゃないの?って思いましたが...

ギブスの相律とオイラーの多面体定理の関係は...

  • 単純に『頂点の数 - 辺の数 + 面の数 = 2』と『示強変数の自由度 = 成分の数 - 相の数 + 2 』を比べて、次のようなことを思いあぐねても詮無い模様
    • 『成分の数が辺の数』ってどういうこと?
    • 『頂点の数』は『自由度』なのか『相の数』なのか?
    • 『頂点の数』と『辺の数』ってなんらかの制約条件があると思うんだけど、化学平衡系は今少し緩いような気が....。相図に対応する多面体が“不可能物体”になる可能性はないのか?
  • とはいえ『偶然の一致』ではなくて、説明は可能であるらしい。道具立てとしてグラフ理論が要る模様。どういう展開になるのかの見当もつかず。

毎度毎度の茹で蛙

 Gibbs の相律の記事を 日本語 Wikipedia で読んで、『へっ?』と思った。

 なお、相律を相図における幾何学的法則とみれば、三次元におけるオイラーの多面体定理に対応することがわかる。

ギブズの相律 - Wikipedia
対応することがわかるのか?ホントかよ?!って思った。多くの場合、相図は二次元での図解であり、つまり平面図形。どこをどうすると多面体と関連づくのかさっぱりわからない。『二次元図形だと、オイラーの式の右辺は1じゃないの、裏表数えるの?』みたいな方向に迷走。こういう時は英語版のwikipedia を!って確認したけど説明はない。

この手の話だと『EMANの物理学』であれば解説があるかも!と思って探したところギブスの相律の導出方法の解説はあったが、オイラーの多面体定理との関連についての解説はなかった。

 闇雲な調べ方になるけど致し方なしと "thermodynamics gibbs phase rule euler" ってなワードで検索をかけたところ、物理学関連のGoogle Group でIs Euler-Descartes distantly related to Gibbs' phase rule?ってまさにそのものずばりの書き込みを見つけることができた。冒頭に

[[Mod. note -- This posting seems somewhere near the edge of our charter's ban on "excessively speculative" discussions, but I'm approving it in the hopes of illuminating discussions. -- jt]]

って書いてある。Off topic に追い遣られることなく生き残らせて呉れたモデレーターに感謝。

 この遣り取りを読み進む。1979年に何やらドイツ語で論文が出ていることと、1990年に英語で別の論文が出ているらしいことを知る。

 後者は英文専門誌に掲載されているのだが、T. P. Radhakrishnan "Euler's formula and phase rule" ; Journal of Mathematical Chemistry December 1990, Volume 5, Issue 4, pp 381-387で論文の概要を確認できる。最初の2ページだけならタダで読むこともできた。過去、相律側の変数の組に対応する多面体が無い例なども指摘されていたことなども書かれていた。当該論文では、グラフ理論を使いなにやら説明を組み立てている模様。本論は3ページ目以降で展開されるようで、展開の詳細は判らず仕舞。俺自身グラフ理論がわかっちゃ無いので四千円払って中を読んだにせよ、すぐ理解できるとも思えない。ということで買おうという熱意は今のところ無いまま。Springer だから一般人はアクセスできないかもしれないけれど、それについても未確認。

 日本語 Wikipedia に書かれた『幾何学的法則とみれば』は初等幾何でなんとかなる直截な議論の範囲を超えるということが解ってとりあえずケリが付いたかんじ。


 まったく違う例ではあるが、金色が数多の金属光沢と異なることや水銀が常温液体であることが相対論効果のあらわれだ!と言われたのと同じくらいピンとこない話だった。相対論効果も相律と多面体定理の関係も、故あってなのではあろうが...。

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